ポーの話
あたしが院長の娘になったのは、今から7年前。
その時、すでにポーとサリーっていう猫がいたのよね。
ポーっていうのは、院長が学生の頃に、十和田で生まれて里親募集されていたのを、院長が引き取ったの。
院長が大学を卒業して、青森県の職員になって、数年後にこの業界に転職して埼玉に引越して、修行して、青森に戻ってくるまで、ずっとそばにいたのよね。
院長いわく、ちょっと猫っぽくない猫だったそうね。
よくわからないけど、あたしがポーの肉球をペロってなめたら猫パンチしてきたのは、ずっと忘れないわ!
ポーは結局、腎臓の病気で2年前に亡くなったけど、最後まで院長に大切にされてたわ。
だから、院長は、病院の名前をポーにしたみたいね。それしかないって。
いやいや、『金太郎動物病院』にすれば良かったのにー。